【珠生】
「いっつ……。ぐ、ぅ……」
つんとした痛みと共に、指先が俺の身体の中に入りこんできた。
【芹】
「大丈夫、痛いのは最初だけ……。まずは第一関節まで。ちょっと慣らしたらするっと根元まで入るから、心配しないで」
【珠生】
「ぅう……っぐ……、あ……」
腹の中を探られるなんて初めての経験で、指一本でも圧迫感で息苦しい。
ただでさえのし掛かかられた状態でそんな風にされたものだから、額にも汗が滲んで来た。
【芹】
「ちょっとぉ、お尻きついって、珠生。締めすぎ。まあ、慣れないからしょうがないけどさ……。じゃあここはどう? ……っちゅ……ふっ……」
【珠生】
「ぁっ」
芹は指を少しづつ動かしながら背中に口づけてくる。
【芹】
「あー、やっぱり。背中にキスされるの気持ちいーんだ。ほら、穴がぱくぱくしてる……」
キスされると腰のぞわぞわした感覚が波のように広がって、つんとした痛みが薄まっていく。
【芹】
「ほーら」
【珠生】
「ひうっ!」
芹の指が一気に入りこんでくる。
腰のぞわぞわが吹き飛んで、もう指の感触にしか意識が向かなくなってしまった。
【珠生】
「っぐ……あ、きつい……っ、も、う……」
きつい、痛い、息苦しい。
その感情は焦りにも似て、呼吸がどんどんと浅くなっていく。