【??】
「うるせぇ!」

【珠生】
「うわっ!」

怒号とともに、俺は胸倉を掴まれる。
向けられる視線はギラリと鋭くて、俺の背には冷や汗が浮かんだ。
ケンカなんてしたことなかった俺は、恐怖で固まる。
何で人助けをしておいてこんな目に合うのか。
一瞬、この人を助けようとしたことを後悔しそうになるが、俺は間違ったことを何一つしていない。
その自負から、先に目を逸らした方が負けだと、自分の中で勝手にルールを作った俺は、三年の刺すような視線を真正面から受け止める。

【珠生】
「…………」

【??】
「…………」

俺が視線を受け止め続けることに、僅かだが三年は困惑しているように見えた。

【??】
「…………」

溜息と共に、先に目を逸らしたのは三年の方だった。

【??】
「そうか。……わざわざ転校してまでこんなところに来たんだから……ロクな奴じゃねぇわな」